最近見終わったNetflixドラマ、「The Surpent」はなかなか面白いドラマでした。もともとBBCで作られたものらしく、今年になってNetflixで配信になったみたいです。全8話完結で、割とすぐに見終わりました。
このドラマは1970年代に実際にタイで起きた連続殺人事件をベースにしたクライムサスペンス作品です。
私はこのドラマに引き込まれた理由は、70年代のタイやインドやネパールのバックパッカーの様子が描かれているからでした。今はコロナの影響でなかなか自由に旅行に出かけられていないので、ワンダーラスト(旅への渇望)が高まっている今の私にちょうどマッチしたドラマでした。この映画を見て、20年前にアジアを旅した事を思い出しながら見ました。
といっても、このドラマはバックパッカーの自由さや旅の楽しさが描かれている癒されるお話ではありません。(笑)。怪しげな主人公が、バックパッカーの若者達に薬を飲ませ次々と殺し、犠牲者のパスポートを奪って、その人に成りすますという事を繰り返す連続殺人のお話です。でも、私はこのドラマの時代背景や、バックパッカーカルチャーの雰囲気を楽しみながら見ました。
このドラマの時代背景は約40年前で、私がバックパッカーをしていたのは、20年ほど前(2000年頃)なので、時代は違うものの、このドラマを見ると、バックパッカーというのは、色んな危険をはらんでいたんだなぁと、改めて思いました。今の私だったら、もうあんなリスクを負って冒険はできないなと思います。
私が初めてアジアを縦断したのはオーストラリアの1年の留学を終えて、日本に帰る時でした。せっかく日本に帰るなら、旅行しながら日本に戻ろうと考え、オーストラリアからシンガポールへ飛び、そこから陸路で、マレーシア、タイ、カンボジアと周り、帰りに韓国に寄ってから、船で釜山から博多に入って帰国しました。この旅行はオーストラリア留学中に知り合い当時つきあっていた韓国人のボーイフレンドと一緒に行きました。タイのいろんな島に行ったり、象に乗ったり、途中で彼が先に帰国しなくてはいけなくなり、一人旅になったり、トータルで1か月の旅でしたが、21歳だったわたしにとっては、とても刺激的で一生心に残る旅となりました。旅を終えた後、自分が大きく成長したような、沢山の世界を見たような、そんな気分になったのを覚えています。
当時はインターネットは普及し始めていたものの、今みたいにスマホがない時代でした。ネットにアクセスするには、ネットカフェに行かなくてはならず、ネットカフェから、「今どこにいるよ」という事を母にメールで知らせながら旅していました。きっと日本にいる母は心配していただろうなぁと思います。
当時の旅は限られたネットの情報と、地球の歩き方を頼りに、はっきりとした旅行計画を持たず、現地に着いてから宿を探したりツアーを探したりするという感じで、旅先の出会いで得る情報もとても貴重でした。
元々はカンボジアに行く予定はなかったのですが、タイのカオサンロードというバックパッカーが集まる通りに滞在中、現地のツアー会社で、簡単にカンボジアに渡る事が出来ると知り、しかも飛行機だと1万円だけど、陸路でトラックの荷台に乗っていけば、1500円くらいでいけるという事がわかりました。私は昔から冒険小説が大好きで、アンコールワット発掘の話も読んでいて憧れがあったので、カンボジア行きの話に飛びつきました。そして私たちはトラックの荷台で9時間ほどゆられてタイとカンボジアの国境を超えたのでした。そのトラックには、このドラマにも出てくるようなギターを抱えてるヨーロッパのヒッピーみたいなバックパッカーも乗っていました。一人で放浪しているヨーロッパ系の女の子にも出会い、「完全に一人で旅するなんて、勇気あるなぁ。かっこいいなぁ。」と思いました。でも、きっとああいったタイプのバックパッカーが、このドラマの主人公の餌食になったんだなぁと思いました。スマホがない時代に、ぼーっとしながらトラックに揺られ、たまに周りと会話しながら移動しました。移動中に「トイレに行きたい」と運転手さんに言うと、トラックを留められ「あの辺の茂みで適当にやってきて。でも地雷が埋まってるかもしれないから気を付けてね。」なんて言われてしまい、気を付けてねって言われてもどこに地雷あるかわかんないし・・・と困惑しながら茂みに行ったのを覚えています。
今はちょっとネットで検索すれば、すぐなんでも予約出来て、どこからでも誰とでもすぐ繋がれて、旅をしていても、完全にいつもの自分の生活から断たれないという、良くも悪くも便利な時代です。
20年前旅をした時は、すぐにネットにアクセスできない分、もし何か事件に巻き込まれてしまったら、簡単に家族に見つけてもらえないかもな。。。という不安と緊張の中で旅をしていました。
新しい世界を見る高揚感、旅の途中の孤独、危険への不安、冒険心、旅先で一瞬仲良くなってまたすぐ離れ離れになってしまう出会いと別れの繰り返し。
このドラマはそんな当時の甘酸っぱい空気をふっと感じさせてくれるドラマでした。
簡単に情報が得られないあの時代で、若くて無知だったからこそできた旅というのはあったんだなと今振り返って思います。
もうあんな旅はきっとできないんだろうな。
もし、将来自分に子供ができたら、かわいい子には旅をさせろと言いますが、バックパッカーの旅を一度はするべきだと強くすすめたいなと思います。
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